住み慣れた場所の別れ

「住み慣れた場所の別れ」
彼女は高校を卒業して、大学は大都市にあるため住み慣れた町を離れることになった。憧れの大学に合格し新たなスタートに期待と不安が入り交じっていた。
そして町を離れる日、朝から本降りの雨☔が降っていた。彼女がこの町が離れることを悲しむかの様な雨である。
「旅立ちの雨なんて・・・何かついてないわ。」
サラサラの黒髪のロングヘアーに白の長袖のブラウスに薄緑のカーディガン、花柄のロングスカートに黒のパンプス、町を離れる彼女の格好だ。
実家を出て最寄り駅まで10分ほど歩く🚶傘を差してもパンプスはびしょ濡れ状態になるほど降り続く雨☔次第にスカートやカーディガンやブラウスも濡れ始めていく。
「傘差しても濡れるくらいなら、いっそう雨に打たれてびしょ濡れになったほうがいいわ。ドラマとかで女の子が雨でびしょ濡れになるシーンとかあったから私もやってみたくなったわ!!」
傘をたたみ、彼女は降り続く雨を全身で受け止める。
「サラサラのロングヘアーはびっしょり、薄緑のカーディガンは濡れて色が濃くなっているわ、下のブラウスも肌に貼り付いて感がすごいのスカートも太ももにまとわりつく感が何とも言えない感じ。パンプスの中は水が入ってグシュグシュ感がたまらなく気持ちいい。」
周囲の目を気にせず、彼女はびしょ濡れになりながら駅まで歩いた。
駅に到着した時、彼女は髪の毛からカーディガンからブラウス、スカートから大量の水が滴り落ちまくっていた。
濡れた髪の毛は手で絞るとポタポタと水が出てくる。同様に薄緑のカーディガンとブラウスから手で絞ると水が滴り落ちる、スカートも太ももから裾まで絞っても絞っても水は落ちまくっていた。
パンプスを脱ぎ入っていた水を出していく。
「すっかり、びしょ濡れになっちゃたけど・・・やってみると楽しかったわ。この雨は涙雨ではなく新しくスタートを切る祝いの雨だと思う・・・」
彼女はそう言い聞かせながら、全身ずぶ濡れのまま電車に乗り大都市へと向かった。

おわり